

日本では国政・地方参政権共に日本国籍保有者を有権者としている。鳩山由 紀夫内閣総理大臣が所属する民主党、社会民主党、公明党、日本共産党、 一部の自由民主党議員は、外国人も有権者に 加えることを提起している。また、共産党は被選挙権も与えるべきと している。
民主党は総選挙時に発表したマニフェストとは別個に作成した「民主党政策 集INDEX2009」において外国人に 地方参政権を与えるとしている。また、民主党は永住中国人にも参政権を与えるものとしている。政府・民主党首脳会議により、外国人参政権付与について一任 されている小沢一郎民主党幹事長は、「外国人への参政権付与は外 交政策が背景にあるので民主党としてではなく、政府として提案されることが望ましい」と 述べ、韓国民主党代表・丁世均との会談では、「在日本大韓民国民団側と総選挙前に(参政権付与の)約束をしたが、約束は必ず守 らなければいけないと考えている」と表明した。また、「韓 国政府サイド、在日の方々からも要求が非常に高まってきている」と述べている。2009年12月12日には韓国における講演 で、「日本国政府として政治姿勢を示すという意味でも政府提案で 法案を出すべきだ。鳩山首相以下、現内閣は同じように考えていると思う。来年の通常国会には現実になるのではないか」と述べて いる。民主党議員に対しては「自分たちの政府が提案したことには 賛成するのが普通ではないか」と賛成を求めている。
自由民主党所属議員の大多数、改革クラブは慎重姿勢を取っている。国民新 党では亀井静香代表が法案提出に反対する考えを示し、みんなの党は「参 政権を行使したいのならば日本人になるべき」として反対した。
民主党内部にも反対・慎重意見があり、長島昭久は「現在の在日の中には、強制連行されてきた人たちやその子孫はほとんどいないので 過度の贖罪意識で参政権を付与するべきではない」と反対した。また、東京都議会議員の土屋敬之は第45回衆議院議員総選挙前に は民主党が政策集に記載していた外国人参政権推進をマニフェストには記載しなかったことについて「マニフェストに正直に明記して国民の信を問うべき」と 述べ、総選挙後は「マニフェストに記載しなかった政策を打ち出す ことは国民を騙ましていることになる」と批判し除名された。
韓国政府から日本が占拠しているとして「返還」要求がなされてきた対馬で は韓国人による不動産買収が進んでいるこ とから、外国人参政権の付与が韓国による実効支配を強める恐れや分離独立宣言が出されるとの懸念が示されている。読売新聞は社説(2009年12月15日 付)にて「(永住外国人に地方参政権を認めれば)北朝鮮、韓国、 中国などが自国出身の永住外国人を通じて、日本政府の方針と異なる主張を地方から浸透させるため、影響力を行使する余地が生まれる」と し、「憲法の規定、国のあり方、双方の観点から問題がある」と 述べている。
韓国政府、民主党への選挙支援を行った在日本大韓民国民団は定住外国人へ の参政権付与の早期実現を求めている。朝鮮総連は「在日朝鮮人は 自主独立国家の堂々とした海外公民であり、日本国民を構成する少数民族ではない」として在日朝鮮人への外国人参政権付与に反対 している。一連の動きを受けて、在日中国人は2009年9月に華人参政支援協会を設立している。
日本国憲法第15条第1項では、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と している。第43条第1項では、「両議院は、全国民を代表する選 挙された議員でこれを組織する」とされている。
「定住外国人に国政参政権を与えることをも真剣に考えてもよいのでは ないかと思っている。行政や政治はそこに住むあらゆる人によって運営されてしかるべきである。それが出来ないのは、畢竟(ひっきょう)、日本人が自分に自 信のないことの表れである」
「…しかし、友愛はそうはいかない。日本列島は日本人の所有と思うな などという発想は日本人の意識を開くことであり、死を覚悟せねば成就は不可能である。私はそこまで日本を開かない限り日本自体の延命はありえないと信じ る。だから、私はその先兵を務めたいのだ」
世界の独立国が203ヶ国(国連加盟国192ヶ国)の中における以上の状 況から、急進的な一部の国を除き、外国人参政権の問題として国政レベルの選挙権・被選挙権が付与されることはレアケースであることがわかる。外国人参政権の問題と して論じるべきは、あくまで地方レベルの選挙権・被選挙権であり、とりわけ選挙権の方であることが理解できよう。
外国人に対して、国籍にかかわらず国内全体で地方自治の選挙権または被選 挙権を与えている国は、現在22ヶ国あ る。これらの国々も滞在期間や在留資格などで参政権を与える外国人を制限している。滞在期間を問わず参政権が与えられるのはアイルランドのみである。国家 基本問題研究所によれば、世界の190ヶ国余りのなかで外国人に参政権を認めている国は四分の一以下であり、認めている国は、長期間外国人労働者を誘引す る政策を採用していたなどの特別な理由のある場合のみである。
ヨーロッパ各国が外国人地方参政権の付与に積極的に見えるのは、欧州連合 という枠組みにおいて、国家間の政策や協力により一致結束して実行するという目的が背景にある。ヨーロッパでは付与対象者の国籍をEU加盟国に限るとする 国が大半を占めている。
その他、EU加盟国、英連邦加盟国同士や、近隣国の間で国籍を限定した外 国人参政権を認めた国がある。また、限られた地方自治体の中で外国人参政権を認めている国もある。それらを合計しても外国人参政権を認めている国は39ヶ 国で、外国人参政権を認めていない国の方が多い。
韓国では一部の外国人にも地方参政権を付与しており、相互主義として在日 韓国人への参政権の付与を日本に対して求めている。これについて外国人参政権に反対する会は、韓国では参政権付与の前提として永住権の取得が義務付けられており、永住権の取得 には日本円にして2億円以上の投資やかなりの高年収を得ている必要があるなどハードルが極めて高い現状があるとして、とても相互互恵とはいえないと批判し ている。
在韓日本人永住者は55人(2003年日本政府調査)で、日本における特 別永住外国人は42万0305人(99%が韓国・朝鮮籍)、一般永住外国人は49万2056人(2008年日本政府調査)である。
2012年より、在日韓国人は日本国内でも韓国国政選挙(大統領選挙)の 選挙権を与えられることになっている。日本で地方参政権を得た場合、在 日韓国人は日本と韓国の2カ国における選挙権を同時に持つことになる。その場合、例えば在日韓国人の中には「在日韓国人に帰化 した在日朝鮮人」も多く含まれるため、日本の国防上の問題を、日 本を敵対国家とみなしている国が左右する可能性も生まれ、安全保障の観点からも危惧されるべき問題となる。また、在日韓国人に は韓国の国会議員への選挙権及び被選挙権も与えられることとなっている。
韓国では、2005年7月の済州道における住民投票が、永住権者の参政権 を認める初の例となった。